かわいい女の子を起用したCMで注目を集めていて現在の大プッシュブランドがMIDレーシングだ。大阪オートメッセ2025(2月6~2月9日、インテックス大阪)のブースではFDJ2のマシンを展示してドリフトシーンとのコラボをアピールした。
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MIDエクスクルーシブ、MIDレーシング、MID、ナイトロパワーといったブランドを擁するMIDホイール。今回はその中でもMIDレーシングに注目した。
レーシーなホイールがズラリと並んだ同ブランドのコーナーの中央に展示されていたのはFDJ2に参戦する川瀬羚也選手の日産「S14シルビア」。MIDは今シーズンからFDJ2の公式ワンメイク・ホイールとして選ばれ、本格的なリアルレーシングの世界で戦うホイールとなったのだ。そのためMIDではFDJ2のエントラントに対してシーズンインに際して6本のホイール供給を実施することになっていて、その後はスカラシップ価格で提供する。ワンメイク化がスタートする2025年シーズン、FDJ2はMIDホイール一色に染まることになるのだ。
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ここで、あらためてFDJ2を説明しておこう。このカテゴリーはフォーミュラードリフトジャパンのトップカテゴリーとなるFDJへのステップアップを目指すクラスとして多くの参加者が競うカテゴリー。そんなFDJ2に新たにMIDホイールがワンメイクでの供給を開始するとあって注目が集まっている。今回の大阪オートメッセ会場でもFDJ2のドライバーが実際にMIDブースにやって来て、実物のホイールを確認したり担当者にスペックを尋ねるシーンも見られた。ドライバーにとってホイールの変更はそれだけシビアなことなのだ。
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しかし高いパフォーマンスを誇るMIDレーシングのモデル群なので、そのままの状態でドリフト競技に用いる上でも不足は無い。高性能であることはもちろんだがドライバーの安全性を担保するホイールなので、信頼性の高さは何にも代えがたい要素だ。
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それだけにワンメイクに選ばれたMIDレーシングのハイパフォーマンスぶりがしっかりと証明された形となった。FDJ2に参戦するガレドリの車両にはすでに昨シーズンからMIDのホイールが履かれているので実績も十分である。
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MIDレーシングのコーナーには同ブランドのホイールがズラリと展示された。その中でFDJ2への供給が決まっているのは最新モデルとなる「R06」をはじめ「TR50」「R26」「R07」「R25」の5モデル。いずれもレーシーなフォルムとハイスペックを備えたスポーツホイールで、FDJ2への使用にもジャストフィットするモデル群となる。
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公式ワンメイクとなったことから、FDJ2のドライバーが求めるサイズのリム幅なども追加ランアップされる可能性もあり、攻めたサイズのMIDレーシングの登場も期待しても良いかもしれない(?)。さらにはドリフト走行のパフォーマンスを高めるための機能性アップをMIDレーシングの各モデルに追加設定する可能性もありそうだ。FDJ2とのコラボをきっかけにして、MIDレーシングのハイパフォーマンス化の開発がますます加速していくことも期待される。
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フォーミュラードリフトジャパンとのコラボという大きなトピックで話題となっているMIDレーシングだがブースには新モデルである「R06」が展示されて注目を集めた。「R06」は展示されたFDJ2マシンにも装着され、ガチのドリフトマシンの足もとにも似合うレーシーなフォルムをアピールしていた。
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「R06」はこの手のスポーツホイールでは大定番とも言える6本スポークを採用する。スタンダードとも言えるフォルムは安定感&安心感を感じさせるのは事実だ。ただし細部を見るとMIDレーシングの新作ならではのこだわりの造形が施されているのがわかる。
例えばリムフランジ部分にエグリ処理を施した点。軽量化が可能な部分は肉抜きを施し強度が必要な部分には肉厚をキープするというメリハリを利かせた造形がこのエグリ処理につながっている。さらにセンターサークルの内側に施されたエグリ処理も軽量化と強度のバランスを考えた処理と言え、細部にまで細かく軽量化が施されているのが造形からも感じられる。また、あえてスポークをリムオーバーさせずリム側のディスク外周部を広く取る構造とした造形も独自性を感じさせる。スタンダードな6本スポークデザインに終始することなく、フォルムや細部にまで独自性を備えた「R06」。FDJ2での使用も想定されるモデルだけに、新世代のMIDレーシングの走りのイメージをけん引する役目を担うモデルとなった。
さまざまなスポーツホイールをラインアップするMIDレーシング、FDJ2のホイールのワンメイクが始まることでますますレーシーなイメージを強くしている。今後のモデル開発、サイズ展開、細部の機能性アップなど、MIDレーシングの進化から目が離せない。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。