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スイフトスポーツで実証! ブーストアップ&タービン交換の効果と注意点まとめ~カスタムHOW TO~

ターボ車は排気ガスの力を使ってパワーやトルクを増大させる機構。排気ガスの圧力によってタービンを回す。その回転力で燃焼室に空気を押し込むことで排気量以上の混合気を燃やすという仕組み。

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スイフトスポーツで実証! ブーストアップ&タービン交換の効果と注意点まとめ~カスタムHOW TO~

ターボ車は排気ガスの力を使ってパワーやトルクを増大させる機構。排気ガスの圧力によってタービンを回す。その回転力で燃焼室に空気を押し込むことで排気量以上の混合気を燃やすという仕組み。

排気量以上のパワーやトルクが得られるので、エンジン自体を小さくできるメリットもある。スポーツカーでは定番だったが、最近ではダウンサイジングターボエンジンと呼ばれる、1000ccや1400ccの排気量の小さいエンジンにターボを組み合わせることで大きな出力を得ているエンジンも多い。

◆定番チューニングの“ブーストアップ”は何をする?

ターボエンジンの場合、定番のチューニングはブーストアップと呼ばれるもの。エンジンに押し込む空気の圧力を高めて、より多くの空気を入れようという狙いだ。そのためにブースト圧を制御するアクチュエーターを強化品に交換したりして物理的にブースト圧を上げたりする。合わせてECU(エンジン・コントロール・ユニット)と呼ばれるエンジンを制御するコンピュータの内部データを書き換える。最近ではECUデータのみでブースト圧を上げることができる場合もある。

ブーストアップは10万~20万円ほどで施工できる。効果は車種にもよるが、例えばZC33S型スズキ『スイフトスポーツ』の場合だとノーマルが140ps/23.4kgm。実際ダイナパックで計測してもほぼカタログ通りの数値が出ている。そこから160~170ps/27~28kgmくらいまでパワーを引き上げることができる。目安として20%くらいのパワーとトルクを高めることができる。

これはチューニングとしてはもっともコストパフォーマンスが良い方法である。しかし、それ以上を求めることも可能。それ以上のパワーとトルクをもとめるのであればタービン交換ということになる。

◆まさかのコスパ良し!? タービン交換の効果を知ろう

その名の通りタービン自体を交換する。排ガスを受ける羽も大きく、エンジンに空気を押し込む羽も大きなものにすることで、より排気ガスの回転力を得て、その力でもっとたくさんの空気をエンジン押し込むのがタービン交換の狙いだ。大きな羽になるほどたくさんの空気を押し込むことができるが、デメリットとしてこのタービンの羽が回りにくくなることがある。

羽が大きく重くなるのでなかなか回らなくなる。これまで2000rpmからブースト圧が上がって過給され、大きなパワーを得ていたのが3000rpm以上でないとパワーが得られなくなってしまった、ということになる。

昔は効率の良いターボがなく、しかもエンジン自体の圧縮比が低かった。そこで過給しない領域ではパワーがスカスカ。やっとブースト圧が上がったところからは急激に加速するようになる。このフォーリングがドカンと来ることから「ドッカンターボ」などとも呼ばれていた。

最近では直噴エンジンが増えている。直噴エンジンは混合気を圧縮するのではなく、空気のみを圧縮していくので圧縮比が高くなって燃焼室の温度が上がってもガソリンがないので異常燃焼(ノッキング)しない。そこで高い圧縮比にすることができ、そこに直接ガソリンを噴射して爆発させる。そのためそもそもの圧縮比が高いので、低回転の過給していない領域からパワーやトルクがある程度取り出しやすい。

さらに最近のタービンは技術革新によって、より低回転から回転しやすい。そのため過給していない領域でもある程度パワーがあり、さらに低い回転から過給できるので、より低回転から大きなパワーとトルクが得られる。そのため最近ではドッカンターボなフィーリングのクルマは減り、全域で乗りやすいフィーリングになっている。

そのため直噴エンジン車では多少タービンを大きなものにしても、ブースト圧がかかるインターセプトポイントがさほど変わらない。それでいて過給してからより大きなパワーが得られる。デメリットが限りなく少なく、パワーをアップできるので直噴エンジン車こそタービン交換がオススメなのだ。

とくにメーカーからボルトオンで取り付けることができる交換用タービンは値段も手頃で、それでいてリターンも大きい。ZC33S型スイフトスポーツの場合。タービン交換では200ps/30kgmを狙うことができる。ワンランク上のパワーとトルクを得ることができるのだ。

《加茂新》

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