2月6~9日に開催された大阪オートメッセ2025の6号Bホールでは、AVカンサイ、カーオーディオクラブ、マリノサウンド、イングラフ、メーカーまたは輸入代理店が各ショップとジョイントして各社が素晴らしいサウンドカーを披露してくれた。
話題のハイレゾを基軸として良質な音質で楽しむとき、高品位なコンポーネントが必須でプロショップの技術があってこそ出来上がる。至上の音色を奏でるスピーカー、DSP(デジタルシグナルプロセッサー)、DAP(デジタルオーディオプレーヤー)などのシステム構成や新製品に注目してほしい。
◆アウディRS7 by フェリースソニード&AVカンサイ

近畿エリアにおいて4店舗を展開するAVカンサイ。毎年、話題のブランドをプロモート、ファーストクラスの音創りの余念がない。今回持ち込んだデモカー、アウディ『RS7』はクワトロリゴの新製品を取り入れたハイエンド仕様となっている。クワトロリゴはイタリアのメーカーで精巧なパワーアンプとスピーカーを自社で開発、製造を行っており、少数精鋭を貫き一台一台手作りで品質の高さから世界中のファンから厚い信頼を得ている。
アウディRS7を見てまず目に止まったのがトランクに装備されたOPUSとFantasiaパワーアンプの数々。ピアノ鍵盤をデザインに取り入れたOpusll(2機)と昨年秋に発売された"Fantasia1.4"(2機)を搭載。フロントスピーカーは、オーパス/OPUSの 3ウェイ構成で、ほかセンター、リアフィル、サブウーファーをセット。
マルチウェイ構成と相まり、空間表現力に優れた再現性と音質に特化したとろが大きな魅力となっていて、 一聴すると厚みのある音調で暖色系で心地よく、音楽ジャンルを選ばない音調整が施されているという。高品位なコンポーネントの特徴をまとめる技術力の高さは同店の大きな強みとなっている。

◆メルセデスベンツ AMG C43 by AVカンサイ

お披露目となったAVカンサイのメルセデスAMG『C43』は、ユーザー車両でコンペティションで優勝、入賞を獲得して実績あるクルマで、極めてエクセレントなシステムを打ち出している。
オーディオウェーブのパワーアンプを惜しみなく4基導入し、驚愕のパワーアンプ、CR-201X JDP G(モノラル仕様/写真:手前フロア下)2基とAspire Proシリーズ V2を2基を搭載。そのほかのアンプやプロッサー類は床下にセット。主なスピーカーはリファレンス・ウルトラT-30ツイーター、M-80ミッドレンジ、K-165ミッドバスとグラウンドゼロをチョイス。DAプレーヤーはアイバッソ・DAP300APEXTiを用い、デジタル信号はリゾルトM-DSPにつながる。あと同車は低域を受け持つウーファーが両側/キック奥に組み込まれていているのでフロント4ウェイ+サブウーファー(グランド・ゼロリファレンス250)という構成だ。
音質重視仕様の精巧なユニットのポテシャルをしっかりと引き出し、高度なDSPで構築、綿密な調整を行うことで実在的なサウンドステージを放っていた。

◆BMW M2 by イングラフ+サエクコマース

青森・八戸にオーディオ専門店を構えるイングラフは高級ケーブルで名高いブランド「SAEC」を販売するサエクコマースとコラボレイト。システムを構築するときのケーブル選びで線材の質の高さがサウンドクオリティに大きく関係してくる。
そこでBMW『M2』のデモカーでは、SAECの上級グレードのケーブルを使用。SAEC SP-1、SPC-850スピーカーケーブルほか、RCAケーブルにSL-1。電源供給ケーブルは、SGP-04とSGP-08を使用。システム構成は、純正のオーディオ本体機能をそのままにして、AUNE GTS1をデジタルプレーヤーをメイン使いとして導入。RESOLUT M-DSP経由後、クワトロリゴのニューモデル、Fantasiaを用いてBLAMのスピーカーを精緻にドライブするフロント4ウェイ+リアフィル+サブウーファー構成となっている。
最低域からリニアに伸びる超高域までワイドレンジでエネルギーバランスを整え、高精細なハイレゾ音源をシャープに描き出していた。

トヨタ アルファード by マリノサウンド

福井県敦賀市のマリノサウンドは新デモカーを初公開した。ミニバンとして不動の人気を誇るトヨタ『アルファード』。音楽を聴くにおいて、車内スペース、静粛性、積載ユーティリティと、総じてアドバンテージが極めて高い。
スピーカーはモレル製で統一。ELATE CARBON ALTO(ツイーター)ほか、ELATE CARBON MM3(ミッド)、ELATE CARBON MW6(ミッドウーファー)のフロント3ウェイに加えてULTIMO Ti104サブウーファーを投入。再生プレーヤーはホームオーディオで人気が高まりつつあるイタリアのVOLUMIO社のMotivo(ネットワーク)ミュージックプレーヤーを採用してハイレゾ等のデジタル音源はARC AUDIO・BLACK BIRD(DSPアンプ)およびNIGHT HAWK(2chパワーアンプ2基)に繋がる。
整った環境にふさわしいシステムが構築され、モレルのスピーカー能力を遺憾なく発揮。サウンドクオリティ、音場表現力、定位感も良好で安心して音楽と向き合える。

◆三菱 アウトランダー by ジャンライン&パートナーズ

海外の著名カーオーディオを輸入するジャンライン&パートナーズは三菱『アウトランダー』(自社デモカー)を持ち込んで試聴プロモートを行った。
今回、発売された新スピーカーであるmorel SENSUS 63(センサス)3ウェイシステムを同車に搭載。モレルのラインアップ中、コストパフォーマンスの優れたパッケージで、3ウェイセットはネットワーク付きで176,000円(税込み)。2ウェイシステム SENSUS 62は132,000円(税込)と、バリューな価格を打ち出している。アウトランダーの搭載システムは、スマートにインストールが施され、AピラーにMS 3(3インチ)ミッドレンジ、ミラー裏のスペースにTS1ツイーターを装着。ドア純正位置にWS6ミッドウーファーをセット。メインのプレーヤーはウォークマンでDSPアンプはARC AUDIO BLACKBIRDを搭載する。またサブウーファー(ULTIOMO POWER SLIM PS104D搭載)駆動用にNIGHT HAWKのパワーアンプを採用。
総じて良好なステージングを創出。高低ワイドレンジを達成し、ハイレゾ音源の情報量をしっかりと引き出している。新しいSENSUSシリーズの能力の高さを垣間見た。

◆トヨタ IQ by カーオーディオクラブ

カーオーディオクラブは、懐かしいコンパクトカー、トヨタ『iQ』をベース車両に選び、カーオーディオの楽しさを見せてくれた。iQに乗ってみると意外に車内は広く空間の確保だけでなく、オーディオ機器を搭載できるスペースがあり、一般車と同等以上のクオリティを有している。
再生プレーヤーはAUNE GTS2で、RESOLUT M-DSP経由後、クワトロリゴの新型パワーアンプ Fatasia1.4を2基により(3ウェイ+サブウーファー構成)個々のユニットを精緻にドライブ。フロントスピーカーの構成はブラムまとめている。新しく発売されたAMT1ハイルドライバーツイーターのチョイスほか、MB6P(ミッドバス)、MB3(ミッド)組み合わせとなっている。サブウーファーはグランドゼロを一発搭載。
試聴の印象は見通しのよいステレオステージが前方に広がり定位の良さも秀逸だ。ハイルドライバーは低歪み、ワイドレンジ、過渡特性に優れており、この特長を生かす。とくにナチュラルな高域が印象的だった。
