ゆっくり寝ていたい休日の朝も、ワンワンと元気な鳴き声で“起きろ起きろ”とせっついてくる愛犬オレオ。1歳半になるミニチュア・シュナウザーの男の子で、遊びたくて仕方がないお年頃だ。
カーテンを開ければスカッと晴れた青空。こんな時、細かいことは考えずにとにかく愛犬と家族みんなでクルマに乗り込んで、気の向くままに景色のいいところへ走っていけたらいいのに。ペットと一緒に入れるレストランやレジャー施設、一緒に泊まれるホテルは増えてきたとはいえまだまだ少ないから、いつも綿密に計画を立ててからじゃないと出かけられないことに悩んでいた。

そんな悩みをスパッと解決してくれるのが、日産が本気で車中泊を考えて作った「MYROOM」シリーズ。開発のテーマが「自分のお気に入りの部屋ごと自然の中に持ち込んでリラックスできるクルマ」だから、ドライブしながら食事も休憩も睡眠も、仕事や趣味などなんでもできる室内空間になっているという。もちろん、ペットと過ごすお部屋としても魅力いっぱいということで、今回は夫婦2人と愛犬オレオで、コンパクトなサイズの中に日常での使い勝手と憩いのスペースを手に入れた、『NV200バネットMYROOM』に乗り込んだ。目的地は自然豊かな秩父だ。
増えがちな荷物も大容量ラゲッジで気にせず搭載!

出発の準備はとってもシンプル。なんといっても車内がそのままお部屋になるのだから、キャンプに行くようなテーブルや椅子、テントなんかは必要ない。愛犬用のバギーは上下二段に仕切られている広大なラゲッジの下段にすっぽりと積み込めた。

後席は「2in1シート」といって、乗車移動時には進行方向を向いて座れるようになり、程よいクッションの硬さで乗り心地や疲れにくさを追求。駐車時にはパタパタと背もたれと座面を反転させるだけで後ろ向きのソファに早替わりし、柔らかな座り心地を叶えてくれるというアイディアものだ。まずは前を向いている後席にペット用カーゴをベルトで固定し、愛犬が飛び出さないようにリードをつないで乗せてあげた。

前席は運転に集中できるよう、ブラック基調でスイッチなどが使いやすく配置された空間だ。1.6Lエンジン+CVTのパワートレインは街中で扱いやすく、最小回転半径が5.2mという小回り性能も嬉しい。高速道路に入っても十分に力強い走りで、乗り心地がいいことに感心した。これはMYROOM専用のサスペンションに変更されている恩恵もあるという。

後席を振り向けば、愛犬はいつの間にかスヤスヤとおやすみ中。きっと、MYROOMの内装を架装したことで遮音性も高まり、耳障りなノイズが低減されて心地いい移動空間なのだろう。

高速道路を降りて、まず立ち寄ったのは道の駅はなぞの。ここはドッグランのある公園と隣り合っており、ワンちゃん連れのドライブでやってくる人も多い場所だ。でも私たちのお目当ては、食いしん坊の愛犬のためのおやつ。なんと、シフォンケーキ専門店がこだわって作った犬用のバナナシフォンケーキが販売されている。自分たち用には、深谷ねぎで有名な深谷産の野菜をふんだんに取り入れたカレーが人気のカフェで、カレーやスープをテイクアウト。再びNV200バネットMYROOMに乗り込み、スプラッシュパーク秩父へ向かった。
外部電源を取り込む事で“部屋”の快適性が大きくアップする

到着したら、キャンプサイトに備え付けの電源とリアバンパーのプラグにコードをつなぐ。これでエンジンを切っていても電化製品や間接照明、停車時換気システムが使えて快適だ。お腹がペコペコの私たちは、さっそく後席をパタパタと後ろ向きのソファに変えて、スライドテーブルを引き寄せる。このスライドテーブルは好きな位置に移動して固定でき、足元に支柱がないので人間は足を伸ばしたり、愛犬は自由にフロアを行き来できるのがいいところ。

テイクアウトしてきたカレーをテーブルに広げたら、匂いに敏感な愛犬にはちょっとキツいスパイシーな香りが漂ってしまったが、こんなときに換気システムのスイッチを押すだけで窓を閉めたままでも空気の入れ換えをできるのが本当にありがたい。愛犬もシフォンケーキを夢中で頬張っている。

それにしても、ソファに座っているとクルマとは思えない、木目が美しいおしゃれな家具に囲まれたお部屋にいる感覚に包まれる。窓からポカポカとした日差しが差し込み、ゆったりとした時間が流れていく。もし人目が気になるならカーテンを閉じ、間接照明をつけるとムーディーな雰囲気に。明るさの調光ができるので、人とペットが一緒に落ち着ける明るさに調整可能だ。
食後のコーヒータイムは、サイドボックスの中のコンセントにポットをつないでお湯を沸かす。リッドに配線スリットがついており、閉じたままでも使えて愛犬にボックス内をいたずらされる心配がない。また、電気自動車・日産リーフのバッテリーを再利用して開発した「ポータブルバッテリーfrom LEAF」から給電することもでき、もし電源がない場所でも車内のAC100Vコンセントが使えるというのも安心だ。
動くリラックス空間で愛犬と一緒に自然を楽しむ

すっかりお腹も満たされ、リラックスした時間を過ごした私たち。せっかくなので明るいうちに秩父の大自然を散策しようと外に出ると、大興奮でグイグイとリードを引っ張っていく愛犬。都心ではなかなか味わえない、芝生や土、落ち葉の感触、木々や草花の香りを楽しんでいるようだ。

また、併設されているスパ・ドッグズラン秩父では、広大なドッグランで思いっきりボール遊びで走り回った。もっともっととボールを持ってくる愛犬と、日頃の運動不足を痛感し始める私たち。MYROOMがあれば、毎週のようにこうしたドライブに出かけられて健康にも良さそうだ。たっぷりと運動したあとは、犬用温泉できれいに体を流してスッキリ。天然温泉でドライヤーコーナーもある、とても贅沢な施設だ。

さて、そろそろ日が傾きはじめ、MYROOMに戻って眠る準備に取り掛かる。といっても簡単で、後席をフラットにしてスライドテーブルを移動するだけ。夫婦2人+愛犬なら十分に寝転がれるスペースになり、電気敷毛布で寒さ対策もバッチリだ。ノートPCを開いてちょっとだけ仕事をしたり、夫は愛犬と戯れたりと、思い思いに好きなことをして過ごすMYROOMでの休日。自然の中にいるからこそ見られる満天の星空、鳥たちのさえずり、川で魚が跳ねる音など、愛犬と一緒に存分に楽しむことができた。キャンピングカーはちょっとハードルが高いけど、NV200バネットMYROOMなら普段の生活にも便利に使えて、思い立ったら愛犬と非日常へと飛び出せる最高の1台だ。もし大型犬と一緒なら、もっと広いお部屋が手に入る「キャラバンMYROOM」もおすすめだ。
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