昨今、「市販カーナビ」市場は百花繚乱の様相を呈している。当特集では、その中からマイベストを選ぶためのコツを解説する。クルマを買い替えるにあたりナビを物色中なら、もしくは使用中のナビが古く使い勝手が悪いと悩んでいるのなら、この記事を参考にしてほしい。
目次
「純正ナビ」「スマホナビアプリ」と比べたときの「市販ナビ」の優位性とは?
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カーナビ選びをする際の、最初の分岐点とは…?
カーナビの購入を考えるタイミングは、主には以下の2つのうちのいずれかだろう。1つは「クルマを買い替えるとき」で、もう1つは「愛機が古くなったとき」だ。
で、前者においての最初の分岐点は「純正品か、市販品か、スマホナビアプリか」の3択となり、後者においては「市販品か、スマホナビアプリか」の2択となる。
それぞれの特徴をかいつまんで説明していこう。まずは「純正品」から。なお「純正品」にはさまざまなタイプがあり一概には言えない部分もあるのだが、利点は主には2つある。1つは「フィッティングが美しいこと」だ。ビルトインタイプを選ぶとナビがセンタークラスターパネルと一体化するので見た目がきれいだ。そして利点の2つ目は「設置に手間が掛からないこと」。納車のときには装着が済んでいる。取り付けの時間や費用を心配する必要がない。
「純正品」と「スマホナビアプリ」には、デメリットもある!?
「スマホナビアプリ」にも利点が大きく2つある。1つは「コストが掛かりにくいこと」だ。特に無料アプリを使うのであれば、アプリ代や月々の使用料はゼロ円だ。そして2つ目のメリットは「地図データと機能が常に最新であること」だ。アプリをアップデートすれば都度、地図も機能も刷新される。
ただし、それぞれにはデメリットもある。「純正品」の場合は、「選択肢が限られること」、「割高になりがちなこと」がデメリットとして挙げられる。「スマホナビアプリ」は「自車位置精度が高くないこと」、「表示や地図が見にくいこと」がデメリットだ。「スマホナビアプリ」はGPS頼みになりがちで、電波が届きにくい局面では精度が落ちる。そしてそもそも画面サイズが小さいので視認性は高くなく、また地図の色合い等が車内で見る前提で開発されてはおらず、見にくさを覚える場面も少なくない。
「市販カーナビ」は車内での使い勝手がすこぶる高い!
対して「市販カーナビ」は、種類が実に豊富だ。そして競争が厳しいこともあり、総じてコストパフォーマンスが高い。
また、スマホナビアプリと比べて地図や案内が見やすい。そして、ほとんどのモデルで自車位置精度が高い。GPSを複数活用できたり車速や傾き等の情報も正確に取れる場合が多いので、自車位置がほとんどズレない。そして操作性の点でもアドバンテージを発揮する。車内で使いやすいように設計されているからだ。
というわけでおすすめはズバリ、「市販カーナビ」だ。豊富な選択肢の中から選べるので、満足度の高い1台を手にできる。
選び方のポイント解説 Part1 タイプ違いについて
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タイプ違いを整理! まずは「PND」の利点を知るベシ!
続いては、「市販カーナビ」の選び方のポイントを解説していく。「市販カーナビ」は大きく3タイプに分類できる。「PND」、「汎用AV一体型」、「車種専用大画面モデル」、この3つだ。
まずは「PND」について説明していこう。これは「ポータブル(またはパーソナル)・ナビゲーション・デバイス」の略で、ダッシュボードの上に吸盤等で固定するもののことを指す。そして利点は、「リーズナブルであること」と「取り付け・取り外しが簡単なこと」、この2点だ。センタークラスターパネルに据え付けるタイプのナビと比べて安価だ。そして設置に際してはクルマの内張りパネル等を外す必要がなく、電源もシガーソケットから取れば良い場合がほとんどで配線作業も難しくない。また取り外しも簡単なので、家族で使い回せたりもする。
スタンダードなのはこれ! 「汎用AV一体型」!
続いては「汎用AV一体型」について説明していく。これはすなわち、センタークラスターパネル内に据え置くタイプで、しかも車種を限定しないモデルのことを指す。本体寸法は基本的にすべて2DINサイズだ。そしてこれは、ナビであるのと同時にカーオーディオメインユニットでもある。
なお「汎用AV一体型」の中にも大画面モデルが多々ある。ただし大画面モデルの場合は“汎用”とは言いつつも、取り付け可能な車種数が限られる(大画面モデルであっても本体は2DINサイズ。ディスプレイ部だけが大きい)。設置をカーオーディオ・プロショップに依頼すれば周辺パネルを造形する等の工夫を凝らしてなんとか取り付けられたりもするが、無改造で装着できる車種数は画面が大きくなるにつれて減っていく
しかし最近は、ディスプレイをフローティングさせたモデルもいくつか出ている。それらであれば、汎用性はことのほか高い。
「車種専用大画面モデル」は、フィッティングの美しさが最大のメリット!
もう1つの「車種専用大画面モデル」もAV一体型であることには変わりはないのだが、取り付け可能車種が限定されていることが特徴となる。で、利点は、モニターが大きいことと、フィッティングが美しいこと。これらでは周辺パネルも専用品が用意されているからだ。しかし、画面が大きいことに加えてパネル類も同梱されることにより、価格は高めになりがちだ。
また「車種専用大画面モデル」は、各種設定があらかじめプリセットされていることも利点だ。サウンドチューニングやバックカメラのガイド線等々が愛車の状況に合わせて設定済みなので、ナビを取り付けてすぐに使える。しかもそれぞれの設定が的確だ。
純正ビルトインナビのような後付け感のないナビが欲しいと思ったら、「車種専用大画面モデル」が候補の筆頭に浮上する。
記憶媒体とその容量は、気にしなくて大丈夫!?
昨今のカーナビはほぼすべての機種で、地図データ等を格納するための記憶媒体としてフラッシュメモリーを使っている。フラッシュメモリーとは多くの場合、具体的には「SDカード」または「SSD」だ。
ちなみにそれぞれで利点が異なる。まず「SDカード」は取り外せることが長所だ。なので、SDカードを入れ替えることで地図データ更新を行う機種では、更新作業を素早く簡単に行える。対して「SSD」は取り外しができない反面、機器の基盤内にあることもあり処理スピードが速い。
ただし、ナビにおいてはこの2者間で大きな性能差は生まれないと考えて良いだろう。それよりも他の部分を気にした方がマイベストに辿り付きやすくなる。そしてそもそも記憶媒体にどちらを使っているかを公表していないメーカーも少なくない。また容量の大小もそれほど気にしなくても大丈夫だ。容量が大きいからといっても収録されている地図データや住所・電話番号等の情報量は大きく変わらないのが一般的だ(音楽を貯めておける量が増えたりはする)。
選び方のポイント解説 Part2 機能について
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グレードが異なると、何が変わる?
欲しいタイプが決まったら、今度はグレードを絞り込みたい。
まず「PND」では、グレードが上がるほど画面サイズが大きくなり、かつメモリーの容量も大きくなる。そして、自車位置精度も高まる。精度を高めるための機能(技術)も盛り込まれることとなるからだ。
なお、画面サイズは7型が主流となりつつある。ちなみにそれよりも大きいモデルも存在するが、大きすぎるとダッシュボードの上に置いたときに前方視界を遮る可能性も出てくるので、大画面モデルを候補にする際には取り付け後の収まり具合もイメージしながら決断しよう。また、7型よりも小さいモデルは価格も下がる。画面サイズは予算も鑑みながら考えよう。
ところで「PND」では、ハイグレードモデルに人気が集まりつつある。なぜなら上級機ほど高性能になるので、「スマホナビアプリ」との違いが際立つからだ。「PND」をターゲットとする場合には、ハイグレードモデルに注目しよう。
「汎用AV一体型」は、価格差が相当に広い!?
次いでは「汎用AV一体型」の特徴を説明していく。まず「汎用AV一体型」は、ベーシックモデルからフラッグシップ機までの価格差がかなり広く開いている。
さて、グレードが異なると何が変わってくるのかというと…。同一メーカーの同一シリーズの中では基本的に、ナビ機能はほぼ同じ場合が多い。で、主な差異点は「画面サイズ」と「AV機能」だ。画面が大きくなれば地図も映像ソースも見やすくなるが、価格も比例して上がっていく。
そして「AV機能」に関しても、高機能になればなるほど価格が上昇していく。なので予算を鑑みながら、自分にとって必要な画面サイズと機能を見極めて機種を絞り込もう。なお、「AV機能」に関する各機の特長は、当記事の「おすすめ10選」の中で整理してお伝えしていく。
入出力端子の状況も要チェック!
なおグレードが異なると、入出力端子の状況も変わってくる。この部分のチェックが甘いと、後々地団駄を踏むことにもなりかねないので注意しよう。
ちなみに昨今は、ベーシック機でもAUX(外部音声入力)とUSB端子の装備は当たり前になりつつあるが、車内でスマホの充電をしたいと思うなら特に、USBの有り無しは念のため確認しておこう。
対してHDMI端子は、装備されている機種は限定的だ。で、これが備わっていると、スマホのミラーリングが可能となり、外部デジタル機器の接続もしやすくなる。エンタメ力の充実を図りたいと思ったら、HDMI端子にも着目しよう。
さらには、音声出力端子の有り無しにも注目したい。これが充実していると、サブウーファーを追加しようと思ったときに使いやすく、外部パワーアンプを投入してシステムを本格化させることも可能となる。
Bluetooth対応のチェックもマスト!
そして、スマホ内の音楽を聴くことが多い方、またはスマホやDAPのストリーミングアプリを使っている方は、Bluetooth対応のチェックも忘れずに行おう。対応していると、スマホとのワイヤレス接続が可能となる。しかも、選曲等の主要操作をナビ画面上で行えて、さらにはステアリングリモコンでも操作ができたりもする。
また、Bluetoothに対応しているとハンズフリー通話も可能となる。しかも、電話がかかってきたときには再生している音楽の音量を自動で下げてくれたりもするし、1度ペアリングをしておけばクルマに乗り込んだときに自動接続されるので便利だ。
ちなみに昨今は、Bluetooth対応が広がっている。以前ならミドルグレード以上のモデルでないと対応していなかったが、最近はベーシックモデルでも対応している場合が多い。ただし最廉価な機種では対応していないこともあるので、チェックはマストだ。
VICS WIDEの対応は今や当たり前に! 差が出るのはむしろ…。
ところで市販カーナビは普通、「VICSセンター」から発信される渋滞情報をFM多重放送等で受信して、それをルート探索等に活かしている。なお、「VICSセンター」は、各都道府県の警察および道路管理者(NEXCO東日本等)から送られてくるリアルタイムの情報を処理・編集して発信している。そして昨今は、より情報量の多いVICS WIDEの提供も実施していて、すでに多くのナビがこれへの対応を完了している。
ちなみに、カロッツェリアではもうかなり前から、同社のナビ利用者の走行データを活用した渋滞情報(スマートループ渋滞情報)をユーザーに提供し続けてきた。ちなみ同サービスがカバーする道路の総延長距離は約70万キロにもおよぶ(VICSは約7万キロと言われている)。これを用いると、ルート探索等の精度も一層向上する。
なお「スマートループ渋滞情報」は現在、ケンウッド、三菱電機、この両社のナビユーザーも利用可能となっている。
最新カーナビおすすめ10選
カロッツェリア・サイバーナビ AVIC-CQ911-DC
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カロッツェリアの上級ナビシリーズ『サイバーナビ』。同シリーズには計8機種がラインナップしている。画面サイズ違いが4タイプあり、それぞれでネットワークスティックの同梱モデルと非同梱モデルとが用意されている。写真は最大サイズの9V型HDの同梱モデル。なおネットワークスティックがあると、ドコモの車載向けインターネット接続サービスが使えるようになり、ナビがWi-Fiスポット化する。
また『サイバーナビ』は、ブラウザを介してYouTubeが観れ、家庭のブルーレイレコーダーともアクセスできる。その上チューニング能力も優秀だ。オーディオ機器としての実力も図抜けて高い。そしてナビ性能にも定評がある。
タイプ:汎用AV一体型
画面サイズ:9V型HD
地上デジタルTVチューナー:12セグ/ワンセグ
VICS WIDE対応:○
Bluetooth:○
HDMI入力:○
パナソニック・ストラーダ CN-F1X10BLD
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画面をフローティングさせた汎用大画面ナビの先駆けが、この『ストラーダFシリーズ』だ。で、当シリーズは現在3モデル構成となっていて、その中の上位2機種には市販カーナビで初となる有機ELパネルが採用されている。画質は極めて高精細で、“ストラーダ史上最高画質”が達成されている。
というのも有機ELパネルは自己発光式なのでバックライトを必要とせず、結果光漏れがないので黒色が引き締まり、色調表現エリアも広いので色鮮やかだ。またその2機種は光の反射にも強く、太陽光が当たっても視認性がほとんど落ちない。
なお当機にはブルーレイディスクプレーヤーも搭載されている。家庭の映像環境がブルーレイ化されているのなら、当機を選ぶと便利だ。また『ストラーダ』は、ドラレコ連携力も高い。
タイプ:汎用AV一体型
画面サイズ:10V型有機EL
地上デジタルTVチューナー:12セグ/ワンセグ
VICS WIDE対応:○
Bluetooth:○
HDMI入力:○
ケンウッド・彩速ナビ MDV-M907HDF
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高画質であることと操作レスポンスが速いことを自慢とする人気ライン、ケンウッドの『彩速ナビ』シリーズ。当機はそのフラッグシップ『TYPE M』に属する、高精細&広視野角なHDパネルが採用された9型大画面モデルだ。なおディスプレイはフローティング化されているので、多くの車種に取り付け可能だ。
ちなみに『彩速ナビ』は、いち早くハイレゾ音源の再生を可能としたナビとしても知られている。そしてそこへのこだわりも強く、対応ファイル形式が群を抜いて幅広い。さらには、高音質なBluetoothコーデックである「LDAC(エルダック)」にも対応している。
また、HDMI端子も備え、サウンドチューニング機能も多彩に搭載されている。
タイプ:汎用AV一体型
画面サイズ:9V型HD
地上デジタルTVチューナー:12セグ/ワンセグ
VICS WIDE対応:○
Bluetooth:○
HDMI入力:○
三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ NR-MZ300PREMI-3
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ハイエンドカーオーディオ愛好家からも広く支持されている当機。そんな当機の最大の長所は「音が良い」こと。優秀な音響パーツと高度な音響技術がふんだんに注入されていて、かつサウンドチューニング能力も超本格派。それを駆使することで車内の音響的な不利要因を克服でき、結果、ステレオイメージを至ってリアルに再現できる。
また独自機能である「マルチウェイ・タイムアライメント」も搭載されていて、ナビを交換しただけで(純正スピーカーのままで、配線も換えずに)聴こえ方をガラリと変えられる。
画面が美しいことも長所。反射に強く太陽光が当たってもほとんど見にくくならない。操作レスポンスも速く、ルート探索も迅速に行える。
タイプ:汎用AV一体型
画面サイズ:8型WVGA
地上デジタルTVチューナー:12セグ/ワンセグ
VICS WIDE対応:○
Bluetooth:○
HDMI入力:別売のHDMI変換ケーブルを使用することで、タイプAのHDMI入力として使用可能
アルパイン・ビッグX EX11NX2-NVE-80
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当機は、カーナビの大画面化を真っ先に推し進めたアルパイン『ビッグX』シリーズの最新モデルの1つ。なおアルパインは、“車種専用”にこだわってきたことでもお馴染みだ。上級モデルでは周辺パネルも個別に用意し、しかもそれがスタイリッシュに仕上げられている。ゆえにフィッティングがとにもかくにも美しい。なお当機のディスプレイは、市販カーナビで最大サイズとなる11型だ。
当シリーズは操作性が高いことも自慢。主要な操作を音声で行える「ボイスタッチ」機能も備える。
音にもこだわっている。高性能な音響パーツが多々採用され、サウンドチューニング機能も高い。それが駆使された車種専用チューニングが設定済みだ。
タイプ:車種専用大画面モデル
画面サイズ:11V型WXGA
地上デジタルTVチューナー:12セグ/ワンセグ
VICS WIDE対応:○
Bluetooth:○
HDMI入力:○
クラリオン・NXV997D
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ナビゲーション、オーディオ/ビジュアル、ツール、アプリケーション/ショートカットディスプレイ、以上の4エリアを、それぞれ1画面で、または4分割表示できる「Quad View」を搭載。しかも、4エリアそれぞれの拡大・縮小や切り替え・入れ替えも自在に行える。
なお、ディスプレイは9型と大きいので、4分割表示の際にもメイン画面は約6.7型の大きさ確保され(均等4分割の際の1画面のサイズは約4.4型)。また、HDパネルが採用されているので大画面の隅々までを鮮明に映し出す。
さらには、スマホと連携することで「Door to Door ナビゲーション」機能も活用可能だ。自宅で目的地を設定しナビに転送でき、クルマを停めてからの徒歩ルートの案内も受けられる。
タイプ:汎用AV一体型
画面サイズ:9V型HD
地上デジタルTVチューナー:12セグ/ワンセグ
VICS WIDE対応:○
Bluetooth:○
HDMI入力:○
カロッツェリア・楽ナビ AVIC-RQ911
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カロッツェリアのスタンダードナビシリーズ『楽ナビ』。ラインナップが多彩なことも特長としていて、予算を鑑みながら、画面サイズ、メディア対応、無料地図更新の有る無し等々を考慮してふるいにかければマイベストを選び出せる。
スタンダードグレードながら画質が高いことも自慢。最廉価な2モデル以外でHDパネルが搭載されている。またHDMI端子の装備とBluetooth対応も幅広い。
ナビ性能が優秀であることも特色。自車位置精度が高くルート探索も的確だ。サウンドチューニング機能も充実している。サブウーファー出力も備えているので、低音強化もしやすい。地デジのフルセグ対応も多機種に及ぶ。
タイプ:汎用AV一体型
画面サイズ:9V型HD
地上デジタルTVチューナー:12セグ/ワンセグ
VICS WIDE対応:○
Bluetooth:○
HDMI入力:○
ケンウッド・彩速ナビ MDV-S708L
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こちらは、ケンウッド『彩速ナビ』シリーズのスタンダードライン、『TYPE S』に属するモデル。画面は8V型。パネルはHDではないものの、光沢フィルムが採用されメリハリのあるくっきりとした画質が楽しめる。地図描写も美しく、“彩速”の名にたがわないスペックが確保されている。そして「ジェットレスポンスエンジンIII」等の採用により操作レスポンスもなかなかに速い。
音にもこだわりを注入。ハイレゾ音源(WAV/FLACファイルの192kHz/24bitまで)の再生も可能としている。また上級機にも採用されている独自の高音質技術「K2テクノロジー」も装備。ハイレゾ音源以外のさまざななソースを、高音質に再生可能だ。
タイプ:汎用AV一体型
画面サイズ:9V型WVGA
地上デジタルTVチューナー:12セグ/ワンセグ
VICS WIDE対応:○
Bluetooth:○
HDMI入力:-
アルパイン・ビッグX X9NX2
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当機は汎用大画面モデル。とはいえ、車種専用の取り付けキットを別途用意し取り付ければ、美しくセンタークラスターパネルにフィットする。しかも専用チューニングにも対応しているので、実質的にはほぼ“車種専用モデル”と言って良い。
ちなみにアルパインのナビは、画面サイズと専用取り付けキットの有無以外の機能は、基本的に全機種で共通している。つまりどのモデルを手にしても、同等の性能を享受可能だ。なお最新作では、「Apple CarPlay」と「androidauto」にも対応する。スマホに格納されている主要アプリをナビ画面上でも操れる。音声操作機能「ボイスタッチ」ももちろン搭載。
タイプ:汎用AV一体型
画面サイズ:9V型WXGA
地上デジタルTVチューナー:12セグ/ワンセグ
VICS WIDE対応:○
Bluetooth:○
HDMI入力:○
パナソニック・ゴリラ CN-G1400VD

ロングセラーを続ける定番「PND」のパナソニック『ゴリラ』。当機はそのフラッグシップモデル。画面サイズは7V型。
最新作である当機には、家形までが明確に分かる全国市街地図も収録されている(全国100%をカパー)。その地図データは最大3年、無料で更新が可能だ。1回の全地図更新と2か月に1度の部分地図更新をインターネット経由で実行できる。
ナビ機能もなかなかに優秀。VICS WIDEにも対応しているので、リアルタイムの詳細な交通情報を取得しルート変更した方が良い状況になった際には、新たなルートが提案され新旧ルートの比較もできる。
高機能な「PND」をご所望なら、当機に要注目。
タイプ:PND
画面サイズ:7V型WVGA
地上デジタルTVチューナー:ワンセグ
VICS WIDE対応:○
Bluetooth:-
HDMI入力:-
まとめ

市販のAV一体型ナビは、ハイエンドモデルからべーシックモデルまでの価格差が非常に広い。最廉価モデルは5~6万円台くらいからあり、ハイグレード機の中には30万円に迫るものもある。
ここまでの差が生まれる要因は、画面サイズ、画質、AV機能、メディア対応力等々のスペックだ。つまり主には、ナビ機能以外の部分で差が出てくる。
なお機会を作ってぜひ、販売店の店頭で実機に触ってみてほしい。最近は高画質をうたうモデルが多いが、その点については特に店頭で見比べると違いが分かる。
ところでカーナビは年々進化していて、販売年が5年も違うと案外大きな性能差が生じてくる。もしも愛用のカーナビが購入してから5年以上経っているのなら、買い替えると使い心地がぐっと高まる。
予算を踏まえつつ自分にとって必要な機能や利点を見極めて、これぞという1台を見つけ出そう。
太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。