レジャー利用でロングドライブをすることが多くなった小澤さん、そこで愛車のプジョー『306SW』を高音質にすることを計画した。ただしラゲッジの積載性をスポイルしないインストールを千葉県のアークライドとプランニングして絶好のインストールスタイルを完成させた。
◆ロングドライブを快適にするために
積載性を犠牲にしないオーディオ強化をプラン
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プジョー308SWに乗り始めてゴルフに行くことが増え遠距離ドライブが多くなった小澤さん。そこで考えたのがオーディオのグレードアップだった。良い音でドライブをもっと快適にしたい、同時にラゲッジスペースは純正のままで積載性は犠牲にしないのがインストールのテーマになった。
そこでラゲッジフロア下にあるスペアタイヤスペースを使ったパワーアンプのインストールを実施する。しかも複数のアンプを使うのではなく、5.1チャンネルの出力を持つオーディソンのAV-5.1K×1台でツイーター+ミッドレンジ+サブウーファー(ミッドバスはDSPアンプの出力を使用する)をまかなってしまうのもスペース効率を考えたら有利な作戦となった。
スペアタイヤスペースにボードを設置してここにパワーアンプを固定する。大型モデルながらピタリと収まるレイアウトとなった。サウンド面でも高音、中音、低音と望みのサウンドを引き出すことになり、オーナー自身もこのシステムにしたことで「音の粒立ち」「S/Nの良さ」を実感している。
◆音波や波の専門知識を持つオーナーが
車内での音響特性を整えるDSPの導入を決める
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ラゲッジのAV-5.1Kでツイーター、ミッドレンジ、サブウーファーをドライブ、さらにミッドバスはシート下に設置したDSPアンプであるオーディソン・プリマAP F8.9bitの内蔵アンプを用いて駆動するシステムとした。もちろんAP F8.9bitはDSP部を使って3ウェイ+サブウーファーのコントロールを行う司令塔の役割も担う。
各スピーカーのポテンシャルを引き出す詳細調整を行いつつ、十分な出力(85W/4Ω)のパワーアンプを内蔵し、ミッドバスをパワフルに駆動するシステムを完成させた。
小澤さんは学生時代には物理を専攻していたこともあって、音波や波のエネルギーの専門知識を持つ。そのため車内での音の干渉、反射などを考えると「DSPによるコントロールは不可欠だ」と理論的に結論づけた上で導入している。こうして狙い通りのバランスの良いサウンドを車内で再生することに成功したのだった。
さらに音楽ソースはDAPからの出力をオーディオテクニカのAT-HRD1を介して光デジタル出力に変換してパワーアンプへと伝送するシステムを構築した。デジタル伝送を音楽ソースからパワーアンプまで用いるシステムでクリアサウンドを再生する環境を作った。
エンジンルーム内を見るとバッテリーをオプティマに強化、さらにワンオフしたヒューズブロックのベースパネルはスペースをあえて余らせてある。これは今後のアンプ追加をにらんで拡張性をあらかじめ確保しておく工夫だ。今後のシステムアップがスムーズになる電源系の処理と言えるだろう。
◆薄型エンクロージャーを備えたボックスを持つ
ラゲッジをスポイルしないサブウーファーを選択
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ラゲッジの使い勝手をスポイルしない工夫はサブウーファーにも施されている。オーナーがチョイスしたのはキッカーのL7TDF。キッカーのエンクロージャーに角形サブウーファーであるL7をセットしたサブウーファー。エンクロージャーは薄型でラゲッジでも邪魔にならない、さらにダウンファイアリングと呼ばれる振動板を下向けに設置する構造なので、ラゲッジに荷物を載せた際にも誤って振動板に接触してキズ付けてしまうことがないのも使いやすい。
ドライブ中はかなりのボリュームでロック、ソウル、R&B系の曲を聴く小澤さんなので、しっかりと低音を再生するサブウーファーは必須だった。その影響は音楽全体に及び厚みのあるサウンド再生が可能なシステムを完成させた。同時にラゲッジスペースの確保を必須項目にしていたオーナーにとって、キッカーのサブウーファーのコンパクトな設置スタイルは絶好のチョイスとなった。
良い音を再生しながらクルマの使い勝手はスポイルしない、そんな高音質とクルマの機能性を両立させたインストールを完成させた小澤さんのプジョー、次回の後編ではラゲッジ同様に純正イメージを残したフロントまわりのインストールを見ていくこととしよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。