高音質化を狙った小澤さんの愛車であるプジョー『308SW』、フロントスピーカーにブラムの3ウェイをチョイスして、千葉県のアークライドでドア部分はインナー取り付け&Aピラーを加工を施して高品質なスピーカー取り付けを実施した。
◆オーナーもお気に入りのデザインとなったAピラーを加工したミッドレンジの取り付け
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ロングドライブを楽しく過ごすために小澤さんが導入をはじめた高音質オーディオ。サウンドの決め手となるフロントスピーカーに選んだのはブラムのユニット群だった。2ウェイセパレートモデル(L165S)にミッドレンジ(LFR80)を加えた3ウェイシステムで中域の厚みもたっぷりあるバランスの良い音を目指した。
インストール面で小澤さんの一番のお気に入りポイントになっているのがミッドレンジをビルトイン取り付けしたAピラーの加工だ。後ほど紹介するがツイーター/ミッドバスは各々ドアの純正位置にインナー取り付けしているのと対照的にAピラーのミッドレンジはアピール度も満点。ユニットに選んだのはブラムのLRF80。ピラーを加工して80mm口径のスピーカーユニットを美しくビルトインするオーディオカーらしいインテリアとなった。
ミッドレンジは前編でお伝えしたオーディソンのパワーアンプ・AV-5.1Kでドライブし、中域の厚み・押し出し感も存分に感じられる音にセットアップしている。コクピットの中でもオーディオカーをもっとも強く感じさせるデザインとなった。
◆ピラー加工とは対照的にドアは純正をキープ
ミッドバス&ツイーターをインナー取り付け
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ブラムによるフロント3ウェイシステムを投入することにした小澤さん。しかしドアは純正のデザインを残すことにした。プジョー308SWはデザイン性豊かな純正ドア内張りを持っているのがその理由のひとつ。大好きな愛車のインテリアのイメージを大きく変更したくない場合でも高音質化は可能であることの一例となった。
取り付けたユニットはブラムの2ウェイセパレートモデルであるL165S。特徴的なのはドア中程の純正位置へのミッドバスの取り付けだろう。ドア構造からあまり深いバスケットを備えたスピーカーは難しい、その点ブラムの同モデルは薄型(シャロー)モデルであり、問題なく16cmユニットを純正位置に収めることができる。ミッドバスのドライブにはDSPアンプであるオーディソン・プリマAP F8.9bitの内蔵アンプを用いて十分は駆動力を発揮させる。
さらにツイーターもドア上部にある純正位置にインナー取り付けされる。グリルはドアに一体化したデザインだけに、純正位置への取り付けはデザイン的もいたってスマート。インナー取り付けされるため両ユニットのプロテクション性も万全。普段使いでもスピーカーに気を配る必要が一切無いのも良いところだろう。
◆DAPからのデジタル伝送システムを構築、求めたサウンドを実現して満足度も高い
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高音質な環境を作るためにオーディプレイヤーにもこだわったオーナー、チョイスしたのはウォークマンのZXシリーズ。USB出力をオーディオテクニカのDACであるAT-HRD1でD/D変換し、光デジタル出力としてDSPアンプに入力する高精度でロスの少ないデジタル伝送を確立した。
コクピットまわりはシンプルだが機能的なレイアウト。DAPはセンターコンソールに収納するシンプルなスタイル、DSPアンプの操作部はセンターコンソールに設置し、ボリューム操作やメモリー切り替えなどを手もとで行えるレイアウトにしている。
お気に入りのスピーカーやパワーアンプ、DSPアンプなどのシステムを厳選し、音の粒立ちの良さや良好なS/Nを引き出した小澤さんのプジョー308SW。その高音質ぶりから今ではすっかりロングドライブ時の快適性アップに寄与している。デザイン面でもAピラーの加工もあって、オーディオカーを強くイメージさせる取り付けと、インナー取り付けのドアで普段使いの利便性を両立させた。今後はさらなるパワフルサウンドを求めて、パワーアンプの追加やキャパシターの追加などを計画中。自分好みのサウンドチューニングをこれからも高めていく予定だ。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。